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アートギャッベから学ぶイスラームの文化

2019.07.05

こんにちは。

研修スタッフの千葉です。

 

私たちがご紹介しているアートギャッベは古くからイランの遊牧民族の方々が、自分たちの生活道具として織り上げていた歴史があります。

そのためアートギャッベの文様は単なる模様ではなく、長い歴史の中で様々な意味を持ち現在に至っています。

本日はそんな歴史の長いアートギャッベから、イスラームの世界に触れてみようと思います。

 

時折、アートギャッベには可愛い鹿や生命の樹の文様などと一緒に、アラベスクという文様を見かけることがあります。

アラベスク文様とはリーフ・花柄などをいくつも連ねながら緻密に描くイスラム伝統の文様のことです。

礼拝堂のモスクの壁や天井、またペルシャ絨毯にも代表的に描かれているほど、イスラームの世界では馴染みの深さが伺えます。

ちなみに日本の風呂敷などに用いられる唐草文様は、シルクロードを渡ったアラベスク文様が日本の文化と融合して和風にアレンジされた文様とだとも言われています。私たち日本人にとっても馴染みの深い文様なのですね。

 

幾何学模様のように果てしなく続くアラベスク文様は”無限の宇宙”を表しています。

つまりアラベスク文様は神が作り出した世界そのものを表しているということです。

イスラム教では偶像崇拝を禁止しているので、仏像のように神様を実体化させることはできません。

イスラームの人々は偶像崇拝が禁止されていたからこそ、礼拝所の壁や天井を埋め尽くすほどのアラベスク文様を描くことで、大いなる神に対し畏怖の念を感じていたのかもしれません。

今一度イスラームの人々の目線に立ってアラベスク文様を見てみると、宇宙の広大さすら感じ取れるように思えます。

 

アラベスク文様はイスラームの人々にとって慣れ親しんだ模様であると同時に信仰の対象だったのですね。

そう考えると住宅や施設に何枚もペルシャ絨毯を敷くイスラーム文化には、イスラム教徒の深い信仰心と関係があるのかもしれませんね。

アラベスクのように文様は様々な意味を持ちながら描かれることが多いものです。

アートギャッベの美しさは見た目だけでなく、人々が繋いできた歴史を今も文様として残しているからだと感じます。

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